
「新築の家に引っ越すんだけど今のエアコンをそのまま持っていける?」
「アパートで一人暮らしを始めるけど、実家のエアコンを持っていきたい!」
でもどうしたら良いかわからない。。。
電気工事士の仕事をしていると、知り合いから相談を受けます。
この記事では、エアコンを移設したいけど不安だしデメリットがあるのか知りたい人のために解説します。
エアコンは消耗品だから、移設は考えないでください!
こんにちは。電気工事士歴が20年以上のリベルタ(@liberta0101)です。
電気工事士を仕事にしていると、エアコンの移設を相談されることがあります。
- 新居にエアコンを持って行きたい
- 知り合いのエアコンが余っているから自分の家につけたい
- でも、移設ってどうしたらいいの?
- 引っ越し屋さんに任せればいいの?
そこにエアコンがあれば持って行きたくなる。その気持はわかります。
しかし、結論としてはエアコンの移設はデメリットだらけなので新品を購入したほうがいいです。



本当は、みんなそう思ってる。
でも新品はお金がかかるから、本当に新品がいいのかな?
移設すると、どんなデメリットがあるかな?
あなたが知りたいことを、僕が解説します。
エアコン移設の最大のデメリットは?


移設の最大のデメリットはお金がかかることです!
費用を安く抑えたくて今持ってるエアコンを使おうとしているのに、お金がかかってしまったら本末転倒ですよね。



でも実際にいくらかかるの?
以前僕が相談を受けた内容は「下記の見積りが高いかどうか教えて欲しい」というものでした。
作業項目 | 金額の目安 |
エアコン取り外し | 10,000円 |
クリーニング | 3,000円 |
運搬(30km以内) | 5,000円 |
エアコン取り付け | 12,000円 |
合計 | 28,000円 |



28,000円!!これならなんとか払えるかも?
決めるのはまだ早い!
実は追加で費用が発生するケースがあります。
追加作業項目 | 金額の目安 |
運搬距離が遠い | 要見積り |
屋外の配管に化粧カバーをつけたい | 5,000円 |
取り外した冷媒管が使えない状態 | 10,000円 (1mあたり2,500円として4m分) |
室外機を設置するのに別の金物が必要 | 5,000円 |
作業場所が1階ではない | 要見積り |
合計 | 20,000円+要見積り費用 |



追加で20,000円もかかるの?!
合計48,000円もかかったら困る~~
特に注意が必要なのが
- 取り外してから冷媒管が使えない
- 延長しないと冷媒管が届かない
この2つです。
配管に化粧カバーをつけたり、2階に設置するための費用は、最初の見積り段階から”目に見える費用”です。
しかし、作業中に「この配管は取り替えないとガスが漏れてエアコンが効かなくなるかもしれません」と言われたら、お金がかかっても取り替えるしかありませんよね。



結局、あと少しお金をだせば新品を買える金額になっちゃう。
相談者さんは6万円程で新しいエアコンを買ったんだよ。
移設するメリットは?移設してもいい人の条件


無理やりメリットを挙げるとしたら、
- エアコンに愛着がある
- とにかく目の前のお金を安くしたい
この2点しかありません。
エアコンに名前をつけて愛着をもっている人は、僕の知る限り一人もいません。
ですから、とにかく今、目の前のお金を安くしたい人のみメリットがあると言えます。
- 期間限定で使いたい
- 移設先でエアコンを使用する期間は5年程度
- 移設したいエアコンが買ってから5年以内のもの
- 見積り金額は総額で25,000円以内
4つの条件をクリアしている人は移設を検討しても良いです。
無理に新品を買う必要はありませんよ。



けっこう厳しい条件だけど、なくはない。
エアコンの寿命は一般的に10年程度です。
では「10年経っていなければ移設してよいか?」といえば違います。
移設後に使う期間がありますので、当サイトでは多少の余裕をみて移設するエアコンは5年以内のものを推奨しています。
令和3年の公共工事設計単価で、電気工事士の1日の単価は約20,000円です。エアコンの取り外し・取り付けだけであれば作業時間は半日で十分終わります。
つまり、20,000×0.5日=10,000円職人が2人来たとして、10,000円×2人=20,000円材料費:5,000円職人費用(労務費)20,000円+材料費5,000円=25,000円
※作業の条件、配管の長さにより見積りの金額が変わります。
移設前に確認するエアコンが壊れる前兆は?


引越し前に「エアコンが調子がいいのかな?」「まだ使えるのかな?」
気になるエアコンが壊れる前兆を解説します
室内機からポコポコ?ガラガラ?水漏れ・異音がする
室内機から異音がする場合があります。
ポコポコといった水分のあるような音がする場合は、
- ドレーンが詰まっている
- 室内機から水が垂れてくる
このパターンが多いのですが、もしドレーンを掃除しても解消できない場合は修理が必要になります。
移設を考えた時に、今のエアコンに異音や水漏れがないか動かして確認しましょう。



試しに動かすときには全開で動かした方がわかりやすいよ。
冷房なら20℃以下に設定して、ガンガン1時間くらい動かしてみよう。
カビ臭くて効きが悪い



なんだかエアコンをつけるとカビ臭いかも?
効きが悪いような気もするんだけど・・・
この場合は、
- 室内機のフィルターが詰まっている
- 冷媒管からガスが漏れている
- エアコンの故障
この3つの可能性があります。
フィルターが詰まっている場合が非常に多いのですが、この場合はしっかりと水洗いして目詰まりが解消できればOK!
それでも効きが悪い場合は、ガスが漏れていたり故障しているかもしれません。
移設を考えたときに、異音と一緒にエアコンの効きや匂いを確認しておきましょう。
立地条件が悪い実体験:基盤が壊れてエアコンが動かない
実際僕も体験した立地条件の悪いケースをお話しします。



立地条件が悪いって?
ズバリ!!
海が近い地域です
地域によりますが、海が近いと外に置いてある室外機の基盤が1年も耐えられずに故障するケースがあります。
僕は何度となくこの基盤の交換の為にお客様の所に足を運びました。
対策としては、
- 耐塩型の基盤を使う
- 定期的に基盤の取り替えを行う
この2つになります。
実際耐塩型は、耐久性のわりに価格が高く、コストパフォーマンスが悪いです。
ですから、海沿いにお家がある場合は、エアコン(基盤)は消耗品と割り切って、引っ越しの際は買い替えを前提に考えましょう。



お家が海に近い場合は、エアコンだけじゃなくて車も潮をかぶって錆びやすくなるからね。
洗車ができないエアコンの室外機は、海の潮をかぶりつづけて腐食が進んでいくんだよ。
【動画】実際にエアコンが止まった瞬間
実際にエアコンの室外機が止まってしまった瞬間を撮影できました。
止まってしまうと、鳥のさえずりも悲しげに聞こえてきます。
引っ越しのときエアコンは移設するべき?相場やリスクは?


引っ越しの時にエアコン移設するべきか?
移設する場合の目安になる金額やリスクについて説明します。
単身赴任で引っ越しパックを利用する例
特に単身赴任の場合に有効な手段として、引っ越しとエアコンの移設をパックにしたプランがあります。
例えばこちら。
いずれも引っ越しサービスに有料オプションで付帯する形になります。



エアコンの移設サービスの値段はハッキリ書いていないんだ。
でも、引越し費用とは別に1台25,000円くらいは考えておいた方がいいよ。
ただし、当サイトでは基本的に引っ越し業者さんのオプションでエアコンを移設するのはオススメしていません。
個人でエアコンを取り付けている職人さんの話では、スピードと安さを重視するあまり、施工不良のリスクも比較的高いとか・・・。
どうしても移設を考えたい場合は、当サイトのおすすめのエアコン業者で見積をとってくださいね。
引っ越しの時に不要なお酒やブランド品があった場合は、『ブランド品やお酒の店頭・出張・宅配買い取りならストックラボ』に問い合わせてみるのが◎
メールで24時間受け付けてるから、思い立ったらすぐに無料で査定ができますよ。
新居を建てるときにエアコンをもっていっていいの?



エアコンって新居にもっていってもいいの?
なんだかもったいなくて……
気持ちはお察ししますが、新居にエアコンの移設はおすすめしません。
- 新居の保証範囲外になる可能性がある
- 当初予定外に開口(壁に穴をあける)する可能性がある



今のエアコンを移設するのはおすすめしないよ。
でも、少しでも費用をおさえたいなら、ハウスメーカーと話をしてエアコンを支給すれば少しは安くなるよ。
家を建てるときには「施主からの支給品」とすることでコストを削減することができます。
詳しくは、イエタテログの【失敗しない】施主支給のおすすめ商品と失敗しやすい商品を紹介!の記事で紹介していますよ。
【体験談】エアコンを引っ越して壊れるリスクもある
僕が以前勤めていた電気工事会社で経験したことです。
一本の電話がかかってきました。



実は、、、別の業者さんにエアコンを移設してもらったんだけど、なんだか調子が悪いみたい。。。
問い合わせても「中古品を移設したので、そういったリスクはあります。機械物ですから」と言われてしまいました。
本当に、中古品を移設すると壊れるのでしょうか?
これはですね・・・・非常に答えにくいのですが、
- 冷媒管の施工不良でガスが漏れている
- エアコンが本当に故障している
ほとんどが、この2つです。
そして残念ながら、偶然移設後にエアコンが壊れるよりも冷媒管の施工不良という場合の方が多いです。
移設をする場合は、移設後の保証があるかどうかも確認しておくと良いですよ。



エアコンの効きが悪いときは、メーカーに修理をお願いするのがいいよ。
エアコンの移設はどこに頼む?自分でできるか?


エアコンの移設は電気屋さんに頼むのがベストです。
依頼できる電気屋さんは
- 施工実績が多い
- エアコンを始め、家の電気工事を施工している
- 自社の管理のもと、責任をもって作業をする
こんなの当たり前だろ!
そう思うかもしれませんが、残念ながら下請けさんが、さらに下請けさんに仕事を依頼して「あんた誰?」って人が来ることも実際にあります。



じゃぁ、うちの旦那に自分でやってもらおうかしら?
エアコンの移設を自分でやることはオススメしません。
- 第二種電気工事士の免許が必要
- ガスの回収に機材が必要
- 電気を普段扱っていないと感電の恐れがある
ちょっと休みの日に移設しようとしたら、感電した。
100Vや200Vでも条件次第で人は死んでしまいます。



数万円のために命を危険にさらすのはやめようね。
こちらの「電気の工事屋さん」は施工実績が豊富な電気屋さんです。
見積をとって検討してくださいね。
\ 自社の社員で責任施工 /
DIYに興味のある方はこちらの記事をご覧ください。


自分の家でDIYをするにも電気工事士の免許が必要です。
まだ免許を持っていない人はこちらの記事で取得のための3ステップを解説していますよ。


ヤマダ電機のエアコン取り付け工事の口コミはこちら。


まとめ:移設はデメリット多数!5年以上経っていたら買い替えがおすすめ


エアコンは使えて当たり前です。
しかし、移設したあとになって調子が悪くなったらどうでしょう?



夏場の暑い時期に、エアコンが壊れたらこまるわ。
エアコンは夏場の7月8月の暑い時期になってしまうと、製品も品切れになりますし、業者さんも手配をするのが大変です。
それは、
- メーカーは夏にエアコンを生産して売れ残ったら困るから。
- 電気屋さんもメーカーの生産に合わせてエアコンの仕事をするので、夏場は別の仕事を入れているから。
古いエアコンを移設して、夏場になってから調子が悪くなったら、どうしようもありません。



5年以上たっているエアコンは買い換える。
移設する場合は電気工事のプロに頼む。
買い替えを検討する場合は、失敗しないためにもエアコンの特徴を知っておくことが重要です。
ぜひ、こちらの『買ってはいけない.com』の『買ってはいけないエアコンはどれ?避けるべき特徴・メーカーを紹介』の記事をご覧ください。
基本的には買い替えをおすすめしていますが、どうしても移設を検討したい場合は、こちらの「電気の工事屋さん」がおすすめです。
\ 自社の社員で責任施工 /
当サイトの移設する場合の考え方はこちらになります。
エアコンの寿命は一般的に10年程度ですが、「10年経っていなければ移設してよいか?」といえば違います。
移設後に使う期間がありますので、余裕をみて移設するエアコンは5年以内のものを推奨しています。
それでは、新しい生活は快適な空間をお楽しみください。