就職先として人気が高いのが、電気系の会社です。
電気系の就職や転職では、資格が大きな武器になります。
今回は、電気系の就職や転職で、有利になる資格を解説します。
また、電気系の会社に就職や転職したいときに、知っておくと役立つ知識や、就職先の選び方をご紹介します。必要な知識を知っておけば、他の転職者よりも一歩先に進めますよ。
電気系の就職で有利になる資格は4つ
電気系の就職や転職で、大きな武器になるのが資格です。
会社によっては、資格を持っていないと応募できない職種もあるほど、重要視されます。
電気系の仕事で役立つのは、下記の資格です。
- 電気工事士(第一種、第二種)
- 消防設備士
- 電気通信の工事担任者
- 電気工事施工管理技士(1級、2級)
- 施工管理技士補
- エネルギー管理士
- 電気主任技術者(第一種、第二種、第三種)
- 電気通信主任技術者(線路主任技術者、伝送交換主任技術者)
今回は、このなかから、特に有利になる資格を4つご紹介します。
1.電気工事士(第一種、第二種)
電気工事士の求人数は大変多く、資格を持っていると就職や転職で役立ちます。
電気工事士の資格は、2つに分かれていて、それぞれ従事できる建物の範囲が違います。
- 第二種電気工事士……電圧が600V以下の配線工事、一般住宅や小規模店舗の設備工事
- 第一種電気工事士……マンションやビルなど大規模建物の電気設備工事
電気系の会社で働くことになったら、まず取得すべきなのが「第二種電気工事士」です。
電気工事士としてキャリアアップを目指すなら、「第一種電気工事士」の資格取得も視野に入れておくといいでしょう。大手電気系会社への転職も目指せます。
電気工事士の資格が活かせる就職先は、電気工事会社やビル管理会社、建設会社、電力会社、メーカーなど幅広くあります。技術を身につければ、独立も可能です。
2.電気工事施工管理技士(1級、2級)・施工管理技士補
建設現場では、電気工事施工管理技士を指名して配置しなければいけないため、資格を持っていると活躍できます。
電気工事施工管理技士の資格は、2つに分かれていて、それぞれ従事できる建物の範囲が違います。
- 2級電気工事施工管理技士……一般建設業の営業所で専任技術者や主任技術者として従事できる
- 1級電気工事施工管理技士……特定建設業、大手ゼネコン等で専任技術者、主任技術者、監理技術者として従事できる
また、令和3年度から施工管理技士補の資格が、新たに作られました。電気工事施工管理技士の資格は難関資格と言われていますが、学科試験に合格すれば施工管理技士補の資格が取れるため、以前よりも資格取得のハードルが下がりました。施工管理技士補の新設で、施工管理の現場で経験をつむチャンスが増えています。
https://libertablog.com/sekokanho3.電気主任技術者(第一種、第二種、第三種)
電気を使う事業所には、電気主任技術者を指名して配置しなければいけません。そのため、資格を持っていると重宝されます。
電気主任技術者の資格は3つに分かれていて、電圧により従事できる設備の範囲が変わります。
- 第三種電気主任技術者(電験三種)……5万ボルト未満の事業用設備
- 第二種電気主任技術者(電験二種)……17万ボルト未満の事業用設備
- 第一種電気主任技術者(電験一種)……すべての事業用設備
電力会社やメーカー、ショッピングモール、空港、病院など電気を使う事業所で必要とされるため、就職先も多くなります。しかし、すでにポストが埋まっていることも多く、タイミングが合わないと電気主任技術者として働くことが難しい場合もあります。
4.エネルギー管理士
「エネルギーの使用の合理化に関する法律(省エネ法)」の改正にともない、需要が高まっている資格です。
熱や電気の年間使用量が原油換算で3,000kl以上の工場は「第一種エネルギー管理指定工場」となり、エネルギー管理士を配置しなければいけません。
就職先は「第一種エネルギー管理指定工場」を持つ会社が考えられます。
エネルギー管理士の資格は、誰でも受験できますが、資格の免状を申請するには1年以上の実務経験が必要です。また、研修で既定の講座を受講し、修了試験に受かれば資格取得も可能ですが、こちらも3年以上の実務経験が必要となります。
そのため、エネルギー管理士の資格は、経験をつんでから取得を目指すのがいいでしょう。
https://libertablog.com/enekan01電気系の就職・転職で知っておくべき知識
電気系の就職や転職で知っておくべきなのが、「仕事の種類」や「会社の分類」です。業界を理解しておけば、就職先を探すときにも役立ちます。
それでは、詳しく解説します。
1.【インフラを支える】仕事の種類は2つ
電気系の仕事は、大きく分けて「建築電気工事」と「鉄道電気工事」の2つに分けられます。どちらも、生活するうえで欠かせないインフラを支えている仕事です。
「建築電気工事」の業務は、大きく分けて4つあります。
- 外線工事
- 内線工事
- エアコン設備工事
- ビル管理
専門的な知識や技術は必要ですが、未経験者でも採用されやすいのが「建築電気工事」です。工事をこなして経験をつみながら、資格を取ってステップアップするといいでしょう。
続いて「鉄道電気工事」は、電車を走らせるための電気設備をおこなう仕事です。
例えば、駅の設備や線路、トンネルなどの工事や点検作業などが挙げられます。鉄道電気工事は従事できる業者が限られているため、未経験者が働くことが難しい仕事です。経験や知識をつけてから、チャレンジするのがいいでしょう。
https://libertablog.com/denko_kyujin022.【サブコンから中小企業まで】会社の分類に注意!
転職や転職の際に知っておくべきなのが、電気系の会社の分類です。
大きく分けると、ゼネコンから下請けの業務を多く扱うサブコン、中小企業があります。
大手のグループ会社や子会社のサブコンであれば、親会社やゼネコンに関連した仕事が多くなります。親会社には、電力会社や鉄道会社、建築会社なども挙げられます。
電気系のサブコン大手は、関電工、きんでん、九電工、トーエネック、ユアテックです。
中小の会社は、得意としている業務が決まっている場合が多く、技術を持った職人が活躍しています。
【電気系】就職先の選び方
資格を持っていても、自分のイメージと違う会社に就職してしまうと「こんなはずじゃなかった」と考えてしまいがちです。
これから、失敗しない就職先の選び方を2つご紹介します。
1.大手と中小企業の違いを調べて選ぶ
電気工事の場合、大手は施工管理が中心となり、作業は外注して下請けにまわすことが多くなります。
大手は工事の規模が億レベル、数年かけて工事することもあり、責任も大きく、給料も高めです。資格を持っていないと、応募できない会社も多く、転職のハードルも高くなります。
職人としての技術を活かしたいなら、中小を選びましょう。大手に比べると、給料面は低くなりますが、技術を磨いて独立することも可能です。
それぞれの給料面、休日日数、福利厚生なども忘れずに考慮して選びましょう。
2.自分のスキルを活かせる企業を選ぶ
電気系といっても仕事の内容や会社の規模で、求められる能力や必要な資格も変わってきます。
自分のスキルや知識がどのような仕事で活かせるのか、またキャリアアップに必要な資格をみておきましょう。
例えば、手に職をつけて働くには、電気工事士の資格は必須です。また、現場の責任者として管理するなら、施工管理技術者の資格が必要となります。
応募したい会社の求人をみると、求められる人材像や資格がわかります。求人内容を参考に、今後の目標を考えたり、取得する資格を決めたりするといいでしょう。
まだスキルがない場合は、現場で学んで成長できる会社を選ぶのも一つの手です。
知識と資格を活かして、自分にあった就職先を見つけよう!
電気系の就職を検討するときに、知っておくべきなのは「有利になる資格」と「仕事の種類」「会社の分類」です。必要な知識をつけておくだけで、動きやすくなります。
大手と中小の業務内容の違いや、求められるスキルを知って、希望の就職先を選ぶのが得策です。
ご自身にあった就職先をみつけて、キャリアアップを目指しましょう。