【有線電気通信設備編】電気通信設備用語の一覧(LAN、光、ハブ)

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この記事では、上記の電気通信設備【有線電気通信設備】を簡単に説明します。

有線電気通信設備は、UTPケーブルや光ケーブルといった、工事の施工に馴染みが深いものが多いので、押さえておきたい用語ばかりです。

各用語を「概要・特徴・参考(参考がある場合)」の3つにわけて説明するので、最初は概要をおさえたうえで特徴を覚えましょう!

一回で全部を覚えるのは大変なので、ブックマークして何度も読みにきてくださいね!

電気通信設備の用語解説のまとめは下記の記事をご覧ください。

筆者はこの記事を何度も読んで試験に合格しました。

1級電気通信工事施工管理技士資格者証

目次

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メタルケーブル(UTP、STP、同軸)

UTPケーブル

※概要:UTP ケーブルとは、ツイストペアケーブルのうち、 電磁ノイズ を遮断するシールド加工を行って いない ものである。

※特徴:ツイストペアケーブルは、絶縁された日本の銅の線材をより合わせることで、内部から発生する ノイズ と外部の 電磁波 の影響を 最小化 する。

※参考:UTP ケーブルは高性能で安価なため、LANケーブルとして最も使われている。一般的に LAN ケーブルと言うと  UTP  ケーブルを指すことが多い。

STPケーブル

※概要:STP ケーブルとは、ツイストペアケーブルのうち、 電磁ノイズ を遮断するシールド加工を行って いる ものである。

※特徴:ツイストペアケーブルの ノイズ 低減効果に加え、外皮の内側のペア線をアルミ箔又は銅の網線で覆って、大きな ノイズ耐性 が得られる。

※参考:コネクタには RJ-45 に上位互換で金属シールドが施されたGG45のほか、RJ-45とは互換性のないARJ-45がある。ケーブルの 片端 をSTP ケーブルに対応する機器のジャックの金属 シールド  接地 する。

同軸ケーブル

※概要:同軸ケーブルは中心に内部導体の銅線があり、その銅線をポリエチレンなどの絶縁体が囲んでいる。

さらに、全体を銅線のメッシュの外部導体が覆い、外側をビニルやポリエチレンなどの外部被膜で保護された構造。

※特徴:外部導体が電波シールドとなるため電気信号の漏洩や外部ノイズの侵入が少なく高い周波数の電気信号を安定的に長距離で伝送することができる。

※参考:特性インピーダンス50Ω(無線機とアンテナの接続)と75Ω(テレビ受像機とアンテナの接続)のケーブルが多く用いられる。

コネクタ(同軸接栓)にはF型(テレビとアンテナの接続)、N型(無線機の接続)、BNC型(AV機器の接続)がある。

Auto MDI/MDI-X

※概要:LANポートのMDIとMDI-X(ストレートとクロス)を自動的に切り替える機能

※特徴:RJ⁻45規格のLANポートのピン配列には、パソコンなどの端末にはMDIが、L2スイッチなどの中継装置2は送信と受信のピンが逆に履いて配列されたMDI⁻Xが設定されている。

※参考: Auto MDI/MDI-X の普及により、現在クロスケーブルの利用は稀である。

光ケーブル(マルチモード、シングルモード)

MMF:マルチモードファイバ

※概要:マルチモードファイバーとは、コア径が太く、光が多数のモードに分散して伝播される光ファイバー。

※特徴:シングルモードファイバーと比較して次の特徴がある。

  • コア径が太く曲げに強い
  • モード分散により距離が大きいほど信号のゆがみが大きくなり、長距離伝送に向かない
  • 接続が比較的容易
  • 送受信機、中継装置などを含め安価である

SMF:シングルモードファイバ

※概要:シングルモードファイバーとは、コア径が細く、光が単一のモードで伝播される光ファイバ。

※特徴:マルチモードファイバーと比較して次の特徴がある。

  • モード分散による歪みが小さく、長距離伝送に適している
  • コア径が細く曲げに弱い
  • 接続に機械的精度が要求される
  • 送受信機、中継器などを含め高価である

DFBレーザ(分布帰還型レーザ)

※概要:DFBレーザとは、ひとつの波長の光しか出さないレーザである

※参考:通信時に光信号の波長がずれることがなく、高速・遠距離通信が可能である。

FPレーザ(ファブリペロー型レーザ)

※概要:FPレーザとは、複数の波長の光が出てくるレーザである。

※特徴:レーザ光の波長は基本的に活性層の透過係数や反射係数で決まるが、実際はある程度幅があるため複数の波長で発振する。

※参考:通信速度が、DFBレーザよりも遅いが、コストが安く作れる。

フォトダイオード

※概要:光通信の受信側で、光信号を電気信号に変換するダイオード。

※特徴:光が入射するとpn接合近傍で電子を励起し、光のパワーにする光電流を発生させる。

WDM(波長分割多重)

※概要:波長分割多重とは、一心の光ファイバーに複数の波長の光を一緒に入れて海鮮を多重化する方法。

WDMはFDM(周波数分割多重)と同じ使い方をするが、光通信の場合はWDMと呼ぶ。

※特徴:二つの波長の光により上り・下りを分割して双方向通信を行う方法としても用いられる

モード分散

※概要:モード分散とは、マルチモード光ファイバにおいて、伝搬モードによって光の到着時間が違うことから発生するパルス波形の歪み(広がり)のこと。

※特徴:モード分散が大きいと、隣接パルス間隔をあまり小さくできない。

※参考:マルチモード光ファイバは、モード分散が大きいため、長距離伝送や広帯域通信に向かない。

波長分散

※概要:波長分散とは、光パルスの光が波長に広がりを持っていることが原因で起こる分散のこと。

※特徴:波長分散は、波長により光の伝播速度が異なるために発生するパルス波形の歪み(広がり)のことである

再生中継方式

※概要:再生中継方式とは、デジタル信号の中継に特有の技術で、中継の際に損失の補償だけでなく、ノイズや分散等によって劣化したパルスの再生を行う方式

光だけでなくメタルや無線のデジタル通信でも使われる。

※特徴:再生中継装置を通る度にパルスが再生されるため、長距離にわたって安定した高品質な信号伝送が可能。

線形中継方式

※概要:線型中継方式とは、光パルスを電気信号に変換することなく光増幅器により光のまま増幅して転送する方式。

※特徴:WDMを適用した場合、複数の波長の信号が一括して増幅される。

ネットワーク中継装置(スイッチングハブ、ルータ)

NIC

概要:NICとは、コンピューターをLANなどに接続するためのコンピューターの部品(通信装置)である。

特徴:RJ45規格に準ずるものが一般的だが、光通信に対応するため、光トランシーバーを挿入するSFPスロットを有するものもある。

参考:コンピューターに内蔵されるものとUSBスロットに接続するものが一般的である。

SFP

概要:SFPとは、光ケーブルをコンピューターや中継装置(ルータ、L2スイッチなど)に接続する光トランシーバーの規格の一つである。

特徴:NICや中継装置のSFPスロットにSFCトランシーバ(SFPモジュール)を挿入し、光通信の場合は光トランシーバに光ケーブルをコネクタ接続して利用する。

L2スイッチ(スイッチングハブ)

概要:L2スイッチ(スイッチングハブ)とは、受信したイーサネットフレームをヘッダの宛先MACアドレスに基づいて、該当する装置が接続するポートへ転送する中継装置である。

特徴:かつて主流であったリピーターハブでは、受信ポート以外のすべてのポートからフレームを送信していたが、スイッチングハブの登場によりフレームの衝突の可能性が激減した。

参考:OSI参照モデルのレイヤ2(データリンク層)において稼働するため、L2スイッチと呼ばれる。

L3スイッチ

概要:L3スイッチとは、OSI参照モデルのネットワーク層(レイヤ3)とデータリンク層(レイヤ2)の両方のアドレス情報に基づいてフレームおよびパケットの転送先を決定する中継装置であり、ネットワーク(ブロードキャストドメイン)の境界に置かれる。

特徴:L2スイッチが、MACアドレスに基づいて転送されるのに対し、L3スイッチではこれに加え、IPアドレスなどのネットワーク層(レイヤ3)の制御情報を解析して転送を行う。

参考:L3スイッチは企業内のネットワークをサブネットに分割したり、LANを構築するために用いられることが多い。

ルータ

概要:ルーターとは、LAN(サブネット)相互やLANとWAN間などの異なるネットワークの境界でパケットを中継する機器である。

特徴:ルーターは、L3スイッチと同様に通過するパケットヘッダのIPアドレスなどの宛先情報を見て、バケットを最適な経路に転送する。これをルーティングという。

チーミング

概要:チーミングとは、サーバーやスイッチングハブに搭載した複数の物理NICを一つの仮想的なNICとして束ねる技術。

特徴:チーミングは、冗長性による耐障害性の強化や、リンクアグリゲーションによる使用帯域の広域化などを目的とする。

スタック

概要:スタックとは、複数台のスイッチングハブ(L2スイッチ)を専用ケーブルで接続し、1台のスイッチとして機能させる技術である。

特徴:スタック接続された機器の1台が停止しても、残りの機器で機能を維持する。

VRRP

概要:VRRPとは、IPネットワークにおけるデフォルトゲートウェイを冗長化するプロトコル。

特徴:デフォルトゲートウェイとなる複数のルーターまたはL3スイッチでグループを作成する。

物理的に複数台ある機器を、論理的仮想的には1台の機器に見せることができる。

STP

概要:STPとは、ネットワークのループ構成を論理的にツリー状に制御するプロトコル。

特徴:ネットワークにループができると、その中を大量のイーサネットフレームが周回して通信障害となるため、STPはループを構成するL2スイッチ(スイッチングハブ)のポートの一つにおいて通信をブロックし、ツリー状のネットワーク構成に再構築する。

インターネットアクセス回線(FTTH、ONU、CATV)

FTTH

概要:FTTHとは、光ファイバを通信事業者の設備から加入者宅に引き込む光ファイバの配線方式である

特徴:加入者宅ではONUという装置で光信号を電気信号に変換してから、コンピューターやルーターに接続する。

FTTHを利用すると、常時安定した高速通信が可能になり、最大伝送速度は上り下りとも100Mbpsから10Gbps程度である。

ONU

概要:ONUとは、光通信ネットワークのユーザー側の終端に接続設置され、光信号と有線LANの電気信号との間の相互変換を行う。

特徴:事業者側の光回線終端装置はOLTといい、PONにより一対多の通信を行う。

GE-PON

概要:GE⁻PONとは、PONのオーバーヘッドをイーサネットフレームに付加したPONの通信方式で、1Gbpsの双方向通信が行える光通信の規格である。

特徴:PONは通信事業者の光ファイバを複数の加入者宅へ分岐接続する方式の1つで、光信号を電気変換せずに、スプリッタを用いて光信号のまま分岐する。

CATV

概要:CATVとは、CATVの同軸ケーブルを用いて、CATV事業者からDOCSISという規格でインターネット接続サービスが提供される。

特徴:テレビ放送と同じ周波数帯を利用して、下り最大160Mbpsの通信サービスが行われているが、ユーザー宅からCATV事業者に対する通信(上り)はテレビ放送で利用されない低い周波数帯を使用するため、通信速度は低くなる。

ADSL

概要:ADSLとは、アナログ公衆電話回線を用いて高速デジタルデータ通信を行う技術(DSL)で伝送速度は上下非対称のものを言う。

特徴:日本では2000年頃から急速に普及し、アナログ公衆電話回線を通じたインターネット接続では通信速度がそれまで56kbpsであったものが、上り数Mbps、下り数十Mbpsに一挙に高速化し、かつサービスが従来のダイヤルアップ接続サービスとあまり変わらない費用で提供されるという画期的なものであった。

参考:大手通信事業者では2023年までのサービス終了が発表されている。

ISDN

概要:ISDNとは、回線交換とパケット交換に利用できるデジタル公衆電話回線である。

特徴:ISDN回線の利用側の終端はDSUにより行う。

デジタル通信機器はDSUに接続することで利用可能になるが、アナログ方式の電話機、ファックスなどを利用する際には、さらにTA(ターミナルアダプタ)を経由する。

DSUはTAに内蔵される場合が多い。

参考:回線交換によるデータ通信は低速だが安定性はが高い。2024年1月にサービスを終了すると発表している

まとめ

既に家庭に取り入れられているFTTHやCATV、ONUというのは電気工事、電気通信工事に関わらず一般の方でも知っている方が多くいます。

ですので、仕事に携わる人であれば必ず押さえておきましょう!

また、ADSLやISDNはサービスが終了することをが発表されていますので、新しいビジネスチャンスになる可能性もあります。

少しのことでも知っていると、「さすが本職」とお客様からの信頼もより一層厚くなりますよ。

https://libertablog.com/denki-tushin
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